中国からマカオに徒歩で移動するためのボーダーは、広東省珠海市の拱北地区にあります。1日の通過人数が30万人を超える日もある、世界一通過人数の多いボーダーです。この拱北ボーダーの通過方法、通過可能な時間などについて説明します。
珠海から徒歩でマカオへ
珠海・マカオのボーダーゲート
拱北口岸は、マカオの北に隣接する広東省珠海市の拱北(ゴンベイ)地区にあります。ボーダー施設のすぐ隣に高速鉄道(新幹線)の駅があり、アクセスは非常に便利です。
なお、中国本土とマカオとの間には、この拱北のボーダーゲートのほか、
- 湾仔
- 横琴
の2つのボーダーゲートがあります。
「湾仔」はマカオと珠海との間の狭い海を行程5分程度の連絡船で結ぶルートです。「横琴」は珠海の新しい開発区である横琴地区とマカオのコタイ地区を自動車専用の橋で繋いだルートです。
いずれも珠海の繁華街から離れた場所にあるため、使い勝手がよくありません。
このため、マカオと珠海を行き来する人々のほとんどは、拱北のボーダーを利用します。
建物の屋根の上に書いてある「拱北口岸」は、「拱北ボーダーゲート」という意味です。
拱北ボーダーの開門時間は朝6時から深夜25時まで。朝や夕方はボーダーを越えて通勤通学する人たちで非常に混雑します。週末や中国の大型連休(春節、国慶節など)の時期には特に混雑し、マカオに抜けるまでに2時間近く要することもあります。
混雑期でなければ、15分程度でボーダーを通過して、中国からマカオへ、マカオから中国へ、行き来することができます。
現在の混雑状況はネットで確認できます。以下のリンク先で定点カメラのリアルタイム映像を見ることができます。
実際にボーダーを抜けてみます
実際にどうやってボーダーを抜けるのか、写真付きで解説します。
マカオ側から中国本土に抜けてみます。中国本土からマカオへはこの逆をするだけです。
まずは關閘へ
中国語でボーダーは「口岸」ですが、マカオの現地語ではボーダーのことを「關閘」と呼びます。「關閘」という言葉はボーダーを意味する一般名詞ですが、マカオで普通に「關閘」と言えばこの拱北の「關閘」を指します。
たとえばマカオの路線バスの行き先表示に「關閘」と書いてあれば、「拱北の關閘」に行くバスです。
タクシーで拱北ボーダーに向かうときは、メモに「關閘」と書いて見せれば通じますが、念のため「拱北關閘」と書いてあげるとより確実です。
ボーダーについたら
マカオのボーダー(關閘)についたら、大勢の人がみな同じ方向に歩いて行くので、流れに従えば自然に建物の中に入れます。
ボーダーゲートの建物は2層になっていて、1階には中国からマカオへのボーダーゲートが、2階にはマカオから中国へのボーダーゲートがあります。
マカオから中国側に向かうので、エスカレーターを2階にあがります。
空港のイミグレと同じようなゲートがあります。マカオ側のゲートでは書類を書く必要はありません。パスポートを差しだすだけです。
マカオ側のゲートを抜けたら、徒歩で中国側のゲートに向かいます。途中に免税店があったりして、空港の通路の雰囲気にそっくりです。
中国側のボーダー事務所についたら、まず入国書類を書きます。筆記具は備え付けてないので、自分で用意する必要があります。
入国書類を書いたら、「外国人」の列に並んで、ゲートを抜けます。
写真でわかるとおりこの日は比較的すいていて、約20分で中国側に抜けることができました。
中国本土に到着です。わずか徒歩20分で街の雰囲気ががらっと変り、植民地的異国情緒からアジア的喧噪のなかに飛び込みました。
中国側からマカオへ
中国側(珠海市拱北地区)からマカオに抜ける場合は、上の説明の逆をするだけです。違うところは、中国側のボーダーで出国カード(中国に入国した時に書いた入国カードの左半分)を提出することくらいです。
マカオ側では、入国カードを書く必要はありません。パスポートを差しだすだけです。